一は全、全は一・改

先日ご来店されたお客様とのセッション後の振り返りにて。
ご本人の許可を得て、一部内容を変えてご紹介させていただきます。

「最初のうちは中川さんの”作品”という感じだったけれど、そのうちに施術者の存在を感じなくなった。寝ていないはずなのに、まるで寝て起きたかのような感覚がする。コリがほぐされるとか緩むとかそういう次元じゃなかった。今はリセットされた感覚」
と、体験を表す的確な言葉を一所懸命探りながらやや興奮気味に伝えてくださいました。
そう語っている表情は何も守ったり飾ったりしていないフラットな状態のように思えました。

体験を言葉にするということは、自分が経験した物事をまた追体験しながら理解していくとても大切な作業です。
身体や心で感じた、本来言葉で表現されていない出来事を自分が持っている言葉に当てはめようとしながら段々とフレームを作り整理をしてそれらが再現可能な見える形になった時、理解したとストンと腑に落ちるのだと思います。

人は体験全てを言語化することはできません。
今回言葉に表現できたものの他にもまだ形になっていない違う側面も様々にあることと思います。
しかし今は言葉にならず意識されていなかったとしても体験したという事実は変わりません。
そのまだ形を成さない体験は無意識に貯蔵され、日常の何気ない場面でひょっこりと現れるかもしれません。

フラットな今の状態の快不快をお尋ねしたところ、快であるとのことでしたので
「それはよかったです」
とついお返ししてしまいましたら
「”良い”とか”悪い”ということでもない」と。
物事を良し悪しの価値基準で判断するところの向こう側にいらっしゃるようでした。

自分と他者を分ける境界線は、自分を自分だと認識して形作るための大切な感覚として欠かせないものです。
境界線がなくなってしまうと様々な情報、刺激が分け隔てなく行き来してしまい自分の輪郭がわからなくなってきます。
境界線の薄い方がいらっしゃいます。
傾向として人や環境の影響を受けやすく、その方にとって良い環境にいれば良い影響を受けてぐんぐんと成長していけますが、悪い環境の中にいると知らず知らずのうちに影響を受け悪い方へとたやすく変容してしまいます。

他者との適切な距離感を持ち自分自身を守るために、私たちは自分と異なる他の存在の気配を常に意識しながら生活しています。

だけれど守りの姿勢が強くなり過ぎて人や外界との境界線が断絶線になってしまうと孤立し、やがて自分の身体からの声さえ聴こえなくなってしまいます。
そうなった時、守られた空間の中で一時的に境界線を取っ払いリセットすることができればまた新しい境界線を作り出すことができるように思います。

何が変わっているかはわからないけれど、どこかしらがなんとなく変わっている。
そうしたその方にとっての自然な変容が起こることを願っています。

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Total therapy salon SOMATTICA(トータルセラピーサロン ソマティカ)
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