筋膜を通って旅へ出よう~魚と光の振動のダンス~

5月25日から31日までウータイ漬けの1週間を過ごしました。

ウータイの発案者ローランとナタリー夫妻が2度目の来日。

私は静岡県藤枝市で開催された二日間の「タイマッサージとウータイのコラボ研究(ラボ)」と山中湖での4泊5日の日本で初開講となる「2ndモジュール ミオ・ファシア」を受講しました。昨年受講した「1stモジュール アーティクレーション」のリテイクもギリギリまで悩みましたがまた次の機会にすることにしました。アーティクレーションにリテイクで参加された方、是非どうだったか感想を聞かせてください。

6月に入って名古屋のタイフェスへと参加したりJR静岡駅でのマッサージブース出店とバタバタしながらも頭の裏側の方でトレーニングを振り返り、消化活動をしていましたのでしばしそのアウトプットにお付き合いください。

根がオタクなのでハマるととことんな私がハマってしまったウータイオステオダンス。

段々と私自身にも「ウータイオステオダンスをする人」という認知がされてきているようで嬉しく思っています。

そしてこの春、ウータイとタイマッサージのサロンまでオープンさせてしまいました。

どうしてこんなにハマったのかその理由を私もなかなか言語化できずに「気持ちいい」とか「楽しい」とかウータイのセッションを受けた方と同じような言葉しか出てこなかったのですが、今回の1週間でなんとなく見えてきました。

まず私が数年前から自分への活動テーマにしている「心身統合」のアプローチがあります。どうしてそこに目が向くようになったかと言えば、カウンセリングの勉強と実践をしていく中で感じていた違和感が発端だったと思います。

カウンセリングは自身が感じているモヤモヤや悩みを言語化していく作業がセラピーになります。セラピストはその作業に付き添います。言語化していくプロセスと言語化し自らの口でその内容を語ることによって自己理解と自己受容を促していくのがカウンセリングの大切な効果だと私は考えています。口に出して初めて「自分ってこういうことを考えていたんだ!」と気づくことってありますよね。語った言葉は自分の耳でも聞いているので、自覚すること、言い聞かせること、刻み付けることができます。言葉は魔法でありまた同時に呪いでもあるのです。

これらの作業は主に顕在意識の中で行われます。頭で考える「思考」が舞台になり、思考と気付きで認知を変えることで行動を修正していくトップダウン方式の問題解決法となります。

言語化のプロセスの中でその思考が段々と変容していき、最後は納得してスッキリして終了。

ですが、中には問題の根源が意識上にない場合もあります。無意識のうちの思い込み、思い出したくない過去、胎内での経験、身体が体験したトラウマ、生育環境での刷り込みなど。そうしたところに原因がある問題はいくら思考を整理しても感情を言葉で吐き出せたとしてもなかなか修正ができるものではなく、話をしていても問題の周りをぐるぐるとたださまようばかりになってしまいます。

言語化することによって問題の原因が可視化され自覚が促されることへの恐れと危機感を感じることがあります。自覚してしまうと現在の自分にとって都合が悪いのです。

そういった方への言葉での介入は時間もエネルギーも消費される上にあまり効果がないように思います。介入してくるセラピストがクライアントにとって「敵」だと認識される場合もあります。

カウンセリングの魅力は「合理化」だというような気もしていますが、そういった無意識のうちにある問題の原因は合理化することがとても難しいのです。

しかし、頭では見ないように気づかないようにやり過ごしているつもりでも無意識に刻まれたそれらは行動に作用し体に現れ、日々の生活や生き方に影響を及ぼします。

頭ではわかっているのに行動できない、どうして自分がそういう行動をとってしまうのかわからない。いくら内省してもわからない。自分の中にブロックがあることを感じる。

そうした場合、無意識や身体にアプローチしてそれらの変容を試みることで行動や日常の思考のクセを修正していく「ボトムアップ」の作業が有効だといえます。

運動をしたり食事を変えたりヨーガで身体を整え、瞑想をして無意識へのアクセスをしやすくしたり。

仏教でいう「調身・調息・調心」の実践がわかりやすいボトムアップの手法ではないでしょうか。

そういったものを身体志向性のセラピーとして枠作られたものがロルフィングやアレキサンダーテクニーク、そしてウータイオステオダンスなどではないかと考えます。

「言葉にせず、自覚のないまま変容していく」ことがこれらのセラピーの最大の魅力です。そしてこれらのセラピーは「人間は成長を願い、自ら良くなろうとすることが自然である」という自然治癒力や自己実現の考え方が根底に感じられます。

私自身の話で言えば、カウンセリングのセッションで自身がクライアント役になり、実際の悩みを話すトレーニングをずっとしているうちに、自分の考えを整理しセラピストの意向を汲み取り、時間通りにセッションを終わらせることができるようになってしまいました。ちょっとした得意技です。話すことで感情と思考の整理もでき、カタルシスも十分に感じることができるのですが、セラピストからの不意な介入を拒んでいるとも感じます。自分の意識にあるものしかセラピーの材料を提供しないのです。なんだか勿体無い気がします。

こういった言葉は悪いですが「ガードの固い」方にも身体志向性のセラピーは向いていると今までの経験からも感じます。侵入され脅かされる危機感を感じずにセラピーが進んでいくのですから安心していただけます。

今回のウータイトレーニングの内容は「ミオファシア(筋筋膜)」でした。筋膜とは身体中に網の目のように張り巡らされた水分を多く含んだ膜です。それらが筋肉や骨、内臓を包み互いに信号を送り合いながら身体を調整しているのです。その筋膜が硬くこわばり癒着したりして信号の発着信がうまくできていないと身体の調整が取れずバランスが欠けトラブルが生じていく。筋膜を緩め柔らかさを取り戻すことで再度、心身のつながりを回復させていく。

トレーニング中、それは個人の身体の中だけにとどまらず、他の人や世間、世界のあらゆるものと繋がっている、ということにまで話が及び、無意識は他の人に振動によって伝わっているという話になった時はユングの普遍的無意識が思い浮かびニヤニヤしてしまいました。

ローランはこういった宇宙のように広大な話をしながらも、気さくにジョークを飛ばし、朝早くから夜遅くまで参加者の練習に細かく指導をくれ、パートナーのナタリーは微笑みを絶やさず常に温かい空気を作り出し、私たちは安心して思う存分学ぶことができました。

全てのトレーニングが終わり、帰国前に再会したローランがとても的確に日本語の単語を使って話し出したので、常に何かを学ぼうとするその姿勢に驚きました。

今月末からスロベニアでウータイのトレーニングが始まります。来年の冬にはオーストラリアへ。

まだ日本ではほんの一握りにしか体験されていないウータイオステオダンス。だんだんとこの無意識のダンスが世界に広がっていっています。

https://wuotai.com(仏語・英語)

Wuotai動画

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